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バルセロナでゲイに口説かれ続けたらいつの間にか空手の師範になっていた話。

どもこんにちは、常に楽に生きる事を意識している楽生き.net管理人です。

 

管理人と言ってもまだ三記事ですが。。。。

 

いろいろ管理人は忌々しい記憶を有しているのだが、今回は災害レベル鬼くらいの話をしよう。、まさに「人生が少し楽になる話」をテーマにやってる当ブログにうってつけの話。皆さんのお時間を無駄にしないよう記事を書いていく事を約束しよう。

 

 

 

 

 

高城剛に憧れてスペインに行く。

 

それは、私が二十代中盤の頃、猛烈にハイパーメディアクリエータ高城剛にハマっていた、というか信仰していた。

 

かっこ良すぎる彼の生き方は未だに尊敬する偉人の中の一人だ。

 

高城剛は美食の国としてスペインを紹介しているのだが、実際にいってみて、その発言に嘘偽りなかったと確信した国である。

だが、高城剛の本にも書いていなかった情報があった、そこに関して私は高城剛恨んでいる。

 

ちなみに最初に断っておくが私は空手をやった事がない。ガタイは日本人にしては結構筋肉質なほうだと思っているがもう一度言う。私は空手をやった事がない。では空手をやった事の無い私がいかに異邦の地、スペインで空手の師範になっていったか書き綴っていこう。

 

 

 

 

 

スーパーゲイ国家、スペイン。

 

高城剛の本にも書いていなかった情報。それはスペインにはゲイがものすごく多いという事だ。

 

とにかくゲイが多いという印象だった。近くの公園に行けば普通に手をつないでいる人もいればあっちではフツーにキスをし合っている。

JAPAN出身の私はマイカントリーにないカルチャーにとまどっていた、そして私が二月お世話になるHOTEL「ディアゴナル」にはゲイなどいなかった。

安堵の息をついたのを覚えている。

 

このホテルディアゴナルはドミトリー形式のホテルだ。ドミトリーとは簡単に言えば修学旅行みたいな大部屋に住む。というやつだ。

みんな欧米人でアジアは私だけ。

みんな映画みたいな顔つきのこの国の一角のこのホテルで私は大いにドラマが沢山あった。どちらかというと望まないドラマが多かったが、、。

 

女も男も毎日入れ替わるこの「テラスハウス」みたいなこの部屋で私は青春を謳歌していた。そう。あの時までは、、、、、、。

 

 

 

 

 

 

禁断の部屋「man's cave」の存在を知る。

 

ある日、私は旅費節約の為、自炊を共用のキッチンでしていた。

スペインは物価がクソ高く、外で食べるとメチャメチャとられる。

ので、私はよく近くにあった格安スーパーを利用していた。

 

その日のメニューはズッキーニのパスタとミニピザだった。料理は嫌いじゃなく鼻歌まじりに料理をしていると不吉な雰囲気をまとった男が背後にきた。

 

その男はコーヒーをおもむろに淹れ、一息つくと私にこう言い放った。

 

「俺、お前の髪メッチャ好き。」

 

聞き間違えだと思った。自分の英語スキルはギリギリ日用会話に困るレベルなので、完全に自分の聞き間違えだと思った、、、、、、。

いや違うだろう、そう聞こえた事実を認めなくなかっただけなのかも知れない。

 

念のためにもう一度聞いた。そしたらこう返答が返ってきた。

 

「俺、お前の髪メッチャ好き。」

 

私の旅はここで終わりなのだと悟った。

 

 

俺は鍋を振りながらオーブンに入っているミニピザが早く焼き上がる事を切に願った。

「ブーーーーーッ!!」

しめた!!ピザが焼きあがった!!

そそくさとキッチンを後にしようとしたら、そのゲイに「僕の部屋で食べたら??」と無謀な提案をされた。

なにが悲しくてノンケがゲイの部屋で飯を食わなきゃならんのか。私は断りの言葉がなかなか出ない自分に腹がたった。

 

「じゃあ少しだけお邪魔しようか。」私は覚悟を決め、もし襲われたら戦えば良い、と腹をくくってゲイについていった。大きな廊下を進んでいくと、今まで気づかなかった一角に部屋がある事を発見した。

 

「MAN'S CAVE」

 

確かにそう書いてあった。間違いは無い確かにそこにはその表札がかかっていた。

 

私は「男の、、洞穴、、か、、」とつぶやくとその部屋が発する異様な空気にすいこまれていった。

 

 

 

 

異様なルームメイト達。

 

最初に断っておくが私は人種差別も趣味もなんでも受け入れるタイプだ。ゲイでも何とも思わない。その人の勝手だからだ。

そして私は筋肉質で、黒髪でさらに断れないタイプの日本人。そう、ゲイにメチャメチャ好かれるタイプだ。

 

、、、、、その扉を開いた私は異様な光景を目にした。

 

薄暗い紫の照明の5坪くらいの部屋に二段ベットが3つおいてあり、それぞれのベットの近くには暖色のライトスタンドが立って、、、いや「起って」おり、3つの内、手前のベッドの下段はカーテンがしまっており、なんか心なしか揺れている気がする。

 

その私をつれてきたゲイが(以降このゲイをゲイAとする。)さぁおいで、と自分のベッドに座りその隣をポンポンしていた。  

 

もちろん座ったら終わりだと私の勘が警告を発していた為、私は入り口付近の扉の近くの床に「ここで良いよと。」直接座った。

 

ゲイAがしつこく私を誘うので、私は「そんな事なら帰るよ。」と強めに言った。通じているか分からんが。そうしたらそのゲイAはキレた。

 

知らんけど、お前は狂ってる!!」と罵声を浴びせられたのだ。

 

なぜそんな事を言われなきゃいけないのか、ムッとした私はパスタとピザを持ち、「帰る。」と言いその場を立った。

 

したらゲイAは即座に謝り、僕のIPADでこれからどこに行こうか検索しようと、提案してきた。

いや、なんでそんな話になってる??恐怖を感じた私は知恵をフル活用し、この場を脱出する計画を探った。

 

そこで思いついた三つの計画がこれだ。

 

  1. 友達と一緒に来ていて、今呼ばれたので帰ります。
  2. とにかくキレてその場を無理矢理脱出する。
  3. 実は自分は空手の有段者だと嘘を言い、やっつけられたくなかったらもう私に構うなオーラを出す。

 

まず1から作戦に移した。

スマホのマナーモードを入り切りしながらバイブをならし「あ、友達から電話だ、帰るよ。」と言ったら、ゲイAが「その友達もつれておいで。」となんか脅すような声量で私の作戦を見透かしているような表情で私を制した。

 

ちっ!そんなうまくいかないか、と私の作戦はフェーズ2と移行した。

 

日本語で「いや!!もう帰るから!!もう本当に!!!!うおおおおおおおおおおお!!と訳の分からんテンションでドアノブを確認し、つかんだ。

半分体重をかけドアを勢いよくあけると、そこには緑のレオタードの大男が立っていた。私は目の前に現れた第2のドアノブに絶望した。

 

 

 

最後の作戦 その3。

 

ふたりのゲイを目の当たりにし、わたしは声を失った。

もうダメだと諦める捕食される草食動物の気持ちが分かるような気がした。

 

緑のレオタードのゲイはジム帰りにビールを持って「やぁ!!」と明るく私の顔を覗き込んだ。

 

その時の私の顔はきっと真っ白だっただろう。完全にちびまる子ちゃんのような縦筋が額に浮き出ていたと思う。

 

もう諦めかけたその時。

 

「生きて、、帰るんだ、、、ッ」と、内なる声が私の中から聞こえてきた。

 

私は作戦3を実行に移した。

 

「あの!!実は俺は、、、空手のブラックベルトなんだ。だから、、、帰るよ、、、。」

 

これが俺の精一杯の言葉であった。もはや帰る理由になってないその台詞にも私は疑問を全く持っていなかった。人間の限界だったのだろう。

 

ゲイAゲイB「、、、、、、、、、、、、、、、、、、、。」

 

 

ゲイB「、、、、なにそれ!!??楽しそう!!ぜひ教えてくれ!!空手って格闘技のあれだろう??俺もラグビーやってたから少しは自信あるぜ!!」

 

、、、、、部屋を脱出する事には成功した瞬間である。

 

こうして私は人生初でやった事も無い空手をゲイ二人に教える羽目になった。

まさか私の人生に日本から遥か遠いこの国でやった事も無い空手をゲイに教える日が来るなんて思いもしなかった。

 

私はリビングでかわいいヨーロッパ人の女の子や、沢山の嘲笑を浴びながら、ゲイ二人に空手を教えるのだった。 

 

足をもっとあげた方が良いとか。突きはもっと速く。とか自分が突かれるか否かの極限の状態で稽古を続けた。

 

途中で寝技になったり危ない瞬間はあったものの、一時間くらいの稽古の末、なんとか切り抜けたのであった。。。

稽古を続けている間に、ゲイ二人がいい感じになってしまったのだ。かくして私への興味が徐々にそがれ、私は助かったのだ。

 

 

心の中でガッツポーズをとり部屋、いや、「元の世界」に戻った。半端な覚悟で入ってはいけない世界があるのだと私はこの時学んだ。

 

 

その夜、眠りにつく時、ふとゲイ部屋で発した言葉「いや!!もう帰るから!!もう本当に!!うおおおおおおおおおおお!!」を思い出し、爆笑しながら寝たw

 

そして次の日の朝、チエックアウトをするゲイ二人に別れをつげた。「気をつけていってらっしゃい」と軽くハグをし、撮った写真がこれだ。

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終わり。